横浜で行政書士事務所を開業している、かもめ行政書士法人の清水です。

行政書士の求人は、私が2012年に行政書士事務所を開業したときに比べ、増えてきましたが、それでも行政書士の求人はまだ少ないです。

行政書士試験に合格して、行政書士分野に興味を持ち、「行政書士事務所で働いてみたい!」と考える方は多いと思います。

行政書士の資格をもって、何をしたいのか?

正確に書けば、行政書士の資格は、行政書士会に行政書士の登録を行い、登録が認められた後、資格を取得したことになります。

行政書士は業務分野が広く、行政書士のどの分野に関心があるか、ある程度決めて就職活動を行う方が良いです。

行政書士の主な業務分野ですが、①相続・遺言、②許認可、③会社設立、④ビザとなります。

士業の中でも、業務分野の広さでは行政書士より広いものは、おそらくなく、敢えて言えば、その次は弁護士だと思います。

税理士であれば、税に関すること、社労士であれば労務、人事に関することと専門分野がある程度決まってまいります。

行政書士各業務の特徴

私自身全ての業務ができる訳ではありませんが、開業の頃、広く業務に取り組んでいました。

相続・遺言について

行政書士登録をして、最も興味のある分野で多いのは、「相続・遺言」だと思います。

行政書士の勉強でも民法に興味を持ち、自分でも親族の相続手続きをすることで、あまりの大変さに、行政書士となってサポートしようと考える方も少なくないです。

相続に関われるのは、家屋等の登記は司法書士、相続税のことは税理士、紛争が起きれば弁護士と、多様な士業が関わる分野ともいえます。

許認可について

許認可は、顧客が法人になる場合が多いです。

行政書士の試験では「許可」の考え方程度の範囲だと思います。試験後、建設業許可、運送業許可、倉庫業、障害福祉指定など、より細かな業務を知ることになります。

行政書士に合格するまでは、馴染みのない分野ですが、実は他士業の方からも依頼を受けやすい分野です。

建設業を顧問として関わる税理士の方から「建設業許可」の業務を紹介頂くこともあります。

書類作成分量も多めで、行政(役所)のルールも厳しいため、こまめに書類作成を行えること、顧客に端的に説明を行えるコミュニケーション能力が必要と言えます。

また、許認可は5年後更新、毎年事業報告の提出、関連許認可の依頼など、仕事は広がりやすく、コロナ禍でも事務所経営として安定化しやすいです。

会社設立について

会社設立は、これから起業する方が顧客になるので、仕事を頂く側も前向きになりやすい業務です。

しかし、近年は報酬価格も下がり、税理士では実質0円を謳っているところもあります。

私は当初会社設立をメインに業務を行っていました。近年では、会社設立をしながら許認可をメインにおいています。

時代のニーズを反映しやすく、インバウンド需要が多いときは、インバウンドに対応した事業目的を記載することが多く、最近ではAIを事業とする方からの依頼も頂きました。

会社設立は、株式会社の形式が最も多いのですが、NPO法人、医療法人など対象を絞って業を行っている事務所もあります。

なお法人設立登記は、司法書士(弁護士)業務になるので、司法書士との連携も必要となります。

ビザ(在留資格)について

日本も少子高齢化社会に入り、外国人労働者のニーズも高まっております。

在留資格は入国管理局が所管していて、在留資格の要件、考えは特殊性が高いです。

偽装書類に気付かず、依頼に応じて在留資格を行うと、行政書士も罪に問われる場合もあるので、注意が必要です。

近年在留資格を行う行政書士の方は増えている一方で、コロナ禍では最も影響を受けた業務のように思われます。

行政書士未経験をどうカバーしていくか?

行政書士の求人を見ると、「未経験(実務経験ない)の方も応募可」といった文言を見かけます。

一方で、希望する給与に届いていない求人も多いと思います。

それは、士業業務は資格は必要ですが、顧客の利益のためにも実務能力の方がさらに必要とされるからです。

実務スキルを求められる以上、行政書士未経験は一見不利かもしれませんが、これまでのキャリアを活かして事務所に貢献することで、事務所に必要な人材となっていきます。