横浜で行政書士事務所を開業している、かもめ行政書士法人の清水です。
今回は、行政書士法人の社員について書きます。
求人を出して、採用面接をしていると、時々社員のことを聞かれます。
「社員」という法律用語は馴染みがなく、時折「正社員」と捉えられてしまうこともあります笑。
簡単に言えば、社員とは、「出資」して法人の構成員として、法人の意思決定を行う方を言います。
合同会社の社員と同じ性格です。
まだまだ少ない行政書士法人。
行政書士法人の数は、2021年現在でも、全行政書士数の1-2%しかございません。
行政書士法人がまだ1-2%しかない理由として、
① 社会保険料、法人税、別途法人としての行政書士登録料・会費が加わり、経費が増えること。
② 社員行政書士になると、自分が直接業務を担当していなくとも、無限責任を負うこと。
(2021年現在、一人社員も行政書士法人として認められるようになりました。)
が挙げられます。
現に、行政書士法人化すると、個人事業主のときより圧倒的に経費は増え、法人化した当初は所得(役員報酬)を減らす事務所も多いです。
それでも、行政書士法人化すると、
① 財産が法人と個人(プライベート)とはっきり分かれるので、管理をしやすい。
② 社会保険に加入することで、福利厚生をより手厚くできる。
③ 行政書士が複数在籍できる体制のため、事業継続しやすい。
④ 大手企業は信用の観点から法人と取引しない傾向があるので、大手企業と仕事がしやすくなる。
等のメリットがあります。
行政書士法人の社員について
行政書士法人では、社員は行政書士であることが求められます。
出資についてですが、出資金は多いほど事業は安定しやすくなります。
また、創業融資を申し込むときも、出資金の金額が融資額算定の目安にもなります。
事務所運営についてですが、社員は、法人の意思決定に関わり、具体的な内容は定款に記載されています。
最初にも記載したことですが、社員は無限責任となります。
しかし、海外では、弁護士、会計士はLLP(Limited Liability Partnership)の形態が多く、文字通り有限責任が原則となっております。
監査法人も、今は「有限責任監査法人」の形態もあり、有限責任も認められるようになりました。
行政書士の方と面談すると、社員には興味を持たれる方は多いのですが、社員になるためには、①「実務に精通している」ことは前提として、②「スタッフの協力も得て、目的を達成すること」③「責任を取れること」とより一段法人に対して重要な職責を担うことになります。
社員の評価は厳しいけど結果責任。
社員の評価としては、厳しいですが、結果責任です。
経営成績を上げることは容易でないのですが、それでも言い訳にせず、むしろ困難に立ち向かっていく気概が大切です。